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大阪地方裁判所 昭和43年(わ)2588号 判決 1969年2月24日

本店所在地

大阪市南区西櫓町三番地

名称

株式会社楽天軒本店

代表者氏名

藤田義一

代表者住居

大阪市南区高津町三番丁二番地

本籍

大阪市南区高津町七番丁一番地

住居

大阪市南区南櫓町三番地

会社役員

藤田一二江

明治四〇年四月一〇日生

右被告会社及び被告人に対する法人税法違反被告事件につき当裁判所は検察官豊島時夫出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。

主文

被告会社株式会社楽天軒本店を罰金四五〇万円に

被告人藤田一二江を懲役六月に

それぞれ処する。

但し被告人藤田一二江に対し本裁判確定の日から三年間右

刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社株式会社楽天軒本店は大阪市南区西櫓町三番地に本店を置き、天津甘栗の卸小売を営む資本金四百万円の株式会社であり、被告人藤田一二江は被告会社の取締役会長として同会社の金銭出納保管等を担当していたものであるが、同被告人は被告会社の業務に関し、法人税を免れる目的をもつて左記各事業年度につき、それぞれ売上収入の一部を公表経理から除外したり、架空経費を計上するなどの不正な方法により所得の一部を秘匿したうえ

第一、昭和三九年七月一日から昭和四〇年六月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額は一九、五九四、八八四円で、これに対する法人税額は七、〇六二、四〇〇円であつたのにかかわらず、右所得の全部を秘匿して昭和四〇年八月三一日大阪市南区所在所轄南税務署において、同税務署長に対し、被告会社の右事業年度における所得は欠損九、五七一円で、納付すべき法人税は零である旨ことさらに所得金額等を過少に記載した法人税確定申告書を提出し、前示法人税は法定の納付期限を経過するもこれを納付せず、もつて不正行為により右法人税を逋脱し

第二、昭和四〇年七月一日から昭和四一年六月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額は六一、二四五、七九八円で、これに対する法人税額は二一、四六〇、八〇〇円であつたのにかかわらず、右所得金額中二九、三七七、二一一円を秘匿して昭和四一年八月三一日、前示所轄税務署において、同署長に対し、被告会社の右事業年度における所得金額は三一、八六八、五八七円で、これに対する法人税額は一〇、八八九、二〇〇円である旨、ことさらに、所得金額等を過少に記載した法人税確定申告書を提出し、右秘匿所得に対する法人税一〇、五七一、六〇〇円は法定の納付期限を経過するも、これを納付せず、もつて不正行為により右同額の法人税を逋脱し

第三、昭和四一年七月一日から昭和四二年六月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額は二二、二七九、一八六円で、これに対する法人税額は七、四五一、四〇〇円であつたのにかかわらず、右所得金額中二〇、九五一、九八七円を秘匿して昭和四二年八月三一日前示所轄税務署において、同署長に対し、被告会社の右事業年度における所得金額は一、三二七、一九九円で、これに対する法人税額は二三五、三〇〇円である旨、ことさらに所得金額等を過少に記載した法人税確定申告書を提出し、右秘匿所得に対する法人税七、二一六、一〇〇円は法定の納付期限を経過するもこれを納付せず、もつて不正行為により右同額の法人税を逋脱し

たものである。

(証拠の標目)

判示全事実につき

一、登記簿謄本

一、藤田正晴の検察官に対する供述調書

一、藤田保夫の検察官に対する供述調書

一、牧宏司(二通)、太田良男(二通)、溝手嘉昭(二通)の各確認書

一、山野茂等(五通)、岩佐忠男(三通)の各銀行調査書

一、田中豊、鶴崎好美(二通)越野豊子、藤田満蔵(五月二二日付、六月二一日付)の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一、中書利治の調査書二通

一、藤田君子、赤津稔、ユリヤ商店、北口弘子、藤田正晴の各確認書

一、市川元春の照会書

一、北口孟、藤田保夫(二通)、北口昇、野本高明の大蔵事務官に対する各質問てんまつ書

一、藤田義一の検察官に対する供述調書並に大蔵事務官に対する質問てん末書二通

一、被告人の大蔵事務官に対する質問てん末書六通及び検察官に対する供述調書三通

一、押収中の銀行関係書類、手帳一三冊、ハツピー積立記入ノート、定期予金記入ノート、仕入値段メモ、家計費分類袋、雑書類、納品書控、

判示第一の事実につき

一、法人税確定申告書写(昭和四〇年八月三一日付)

一、鶴崎太二の確認書

一、藤田保夫、高尾逸雄、林亀蔵の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一、押収中の総勘定元帳(昭和四〇年度分)、保険関係書類

判示第二の事実につき

一、法人税確定申告書写(昭和四一年八月三一日付)

一、島津道子の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、押収中の総勘定元帳(昭和四一年度分)

判示第三の事実につき

一、法人税確定申告書写(昭和四二年八月三一日付)

一、島津道子、藤堂宗夫、藤田満蔵(一月二四日付)の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一、中島利治、山野茂、坂東覚、松本俊夫、西脇勇(二通)、草野友信、大藤康男、隅田哲二郎(三通)、山内敏明、塩見巍(二通)、坂口茂、泉野久秋、中筋正弘、近永哲夫、蔵野万喜男、泉庸雄、小池喜勇の各検査てん末書

一、押収中の総勘定元帳(昭和四二年度分)雑書綴、仮領収書、領収書

(法令の適用)

被告会社及び被告人の判示各罪は法人税法第一五九条第一項、(被告会社につき更に同法第一六四条第一項)にそれぞれ該当するところ、右は刑法第四五条前段の併合罪であるから被告人につき所定刑中懲役刑を選択したうえ同法第四七条、第一〇条により犯情の重い判示第二の罪の刑に法定の加重をなし、被告会社につき同法第四八条第二項により各罰金額を合算し、それぞれの所定金額ないし刑期の範囲内において被告会社を罰金四五〇万円に、被告人を懲役六月に各処し、情状により同法第二五条第一項に適用して本裁判確定の日から三年間被告人に対する右刑の執行を猶予する。

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 村上幸太郎)

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